年齢を問わず幅広い世代の方に、文化財をより身近に感じてもらいたい。文化財の知られざる魅力をもっと多くの方に伝えたい。そんな想いで企画されたのが、特定の文化財の名称・写真・具体的な解説・ポイント・展示施設情報などをポケットサイズに凝縮したコレクションカード「BUNCARD(ブンカード) TREASURE COLLECTION」。第一合成の新たな試みとしてスタートした、このBUNCARD開発に至る経緯と今後の展開をご紹介しましょう。

まだ知られていない文化財の魅力を、遊び心を持って

第一合成は、基本的に用途の決まった道具類の企画・製造・販売を行っている。BUNCARDは、そうしたふだんの業務とはまったく違う考え方でスタートした。技術力・開発力・実績などだけではなく、第一合成が強みとしているのは? そう考えた時に、日本全国各地に足を運び、それぞれの歴史風土や財産を肌で知っていることなのではと。実際、各地の展示施設を訪れた際に、土地土地に固有の文化財が数多く存在することに改めて驚かされた。しかし、その多くはまだまだ知られていない。なんとも「もったいない!」。 これらをただ紹介するのではなく、「遊び心」という第一合成の違う一面を加えられたら、情報を広く、楽しく、スムーズに発信できるのではと思った。BUNCARD企画の種が、芽生えた瞬間である。

発信のためのプラットフォームづくりも合わせて

「遊び心を」とはいえ、めざす目的や理想とする姿への取り組みは真剣そのもの。主役である文化財をよりいっそう魅力的に見せるために、写真のクオリティには徹底してこだわる。カード素材もしっかりとしたものでなければならない。アーカイブとしての役割も踏まえ、情報をたっぷりと盛り込んでいく。BUNCARDの輪郭が見えてきた。
これを、どうすれば日本中に伝えられるのか? 居住地から離れている場合には距離の壁があり、個別に発信していくにはより強いパワーが必要になる。簡単にどうにかなることではない。そこで、同時にプラットフォームの製作も進めることに。すべてのカードと施設をHP上で広く公開。新規導入施設の更新や、すでに導入していただいている施設での特別展の開催と限定カードの配布などの情報を、ひと目で見られるようにした。施設個々のパワーをひとまとめにして、より大きなパワーに。各地の施設を拠点に、文化財情報を発信・収集する全国ネットワークをつくり、地域を巡る新たな人の流れと各施設への波及効果を生み出すことをめざしている。

「BUNCARD」の可能性

BUNCARDをつくるにあたり、特にこだわったのが全国統一規格。北海道から沖縄まで同じ規格だからこそ、文化財それぞれの特徴が際立つ。収集することが楽しみになり、コレクションとしての価値も上がる。そんな可能性を広げていけるものと考えている。 また、展示施設などでのイベントツールとしての活用も期待できるだろう。常設展示の入場記念として、企画・特別展示の限定記念として、ワークショップの参加記念として、文化財の各種指定記念として、地域の展示施設や史跡巡りの記念として。現地で実物を見て、カードを持ち帰り、その文化財やイベント、道中のできごとなどを思い返してもらえたらと願っている。 ひと口に文化財といっても、捉えられる対象は考古民俗以外にも美術芸術・伝統工芸・自然科学・産業などさまざま。土器や石器はもちろん、建築物や機械まで、形や規模も想定しきれないほど幅広い。さらに発掘や発見、創作され、未だ見ぬ文化財はこれからも増えてゆく。私たちも、それを追いつづける。
BUNCARDはまだ動き出したばかり。これから進めていくすべてが新たな挑戦であり、さらなる可能性を探り、広げていこうと考えている。

BUNCARD特設ページ:www.daiichigosei.co.jp/buncard/

①時代区分 ②文化財名称 ③展示施設名 ④種別分類 ⑤種別分類マーク ⑥カードナンバー ⑦QR コード

⑧基本情報 ⑨特徴 ⑩ポイント

「BUNCARD」というネーミングは文化財カードを略した「文カード」から。漢字の「文」とカタカナの「カ」を組み合わせ、土偶のような愛嬌のあるフォルムのロゴマークが完成。

①時代区分 ②文化財名称 ③展示施設名 ④種別分類 ⑤種別分類マーク ⑥カードナンバー ⑦QR コード
⑧基本情報 ⑨特徴 ⑩ポイント